ゼロクラとは何?ゼロクラの種類や搭載されていた機能・装備などを紹介
1955年に初代が登場したクラウンは、モデルチェンジを繰り返しながら60年以上もの長い歴史を築いてきました。
クラウンの長い歴史の中で変革期を担ったのが「ゼロクラ」です。
ゼロクラは、現行のクラウンにもつながる大きな変化をもたらしました。
この記事では、ゼロクラとは何のことなのか、ゼロクラの種類や搭載されていた機能、装備などを紹介します。
ゼロクラについて気になる人は、ぜひ参考にしてください。
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INDEX
ゼロクラとは何のこと?
ゼロクラとは「ゼロクラウン」を略した言葉です。
ゼロクラウンとは、2003~2008年に販売されていた12代目のクラウンである「180系クラウン」を指します。
発売当時のキャッチコピーが「ZERO CROWN~かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる~」だったことから、ゼロクラと呼ばれるようになりました。
クラウンは1955年に初代が登場し、モデルチェンジを繰り返して、2022年に16代目となる新型クラウンが発売されています。
1983年に登場した7代目クラウンは、「いつかはクラウン」というキャッチコピーで売り出されました。
1980年代、90年代の日本では終身雇用が根強く、大企業で出世するにつれてマイカーのランクを上げ、最終的にクラウンなどの憧れの車に乗るという流れがありました。
しかし、2000年代に突入してからは働き方やライフスタイルが多様化し、若くして高収入を得る人が増えた結果、20~30代で好きな車を購入できる人が増えています。
時代の変化に伴い、かつてのように出世に合わせて車のランクを上げ、クラウンのような高級車に乗るという流れが薄れつつあります。
トヨタは時代の変化を受け、今までのクラウンにとらわれずに外観や内装、バリエーションに変化を加えました。
従来のクラウンとは違うデザインを採用して発売されたのがゼロクラです。
このような背景から、ゼロクラはクラウンの長い歴史の中で変革期を担ったモデルといわれています。
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ゼロクラの種類は2種類
ゼロクラは働き方やライフスタイルの変化に伴って、幅広いニーズに対応できるように「ロイヤル」と「アスリート」の2つのモデルを展開しました。
ロイヤルは今までのクラウンのイメージを守り、落ち着きのあるラグジュアリーなデザインに仕上げたシリーズです。
内装もシックな木目調パネルを基調とした大人な雰囲気で、高級感を感じられます。
当時はタクシーとしても利用されていました。
一方、アスリートはこれまでのクラウンと異なり、スポーティな要素を取り入れたデザインです。
クラウンアスリートは、購入者の高年齢化が進んでいたクラウンを、若者も注目する車にする目的でラインナップに追加されました。
内装はブラックを基調としており、スタイリッシュな印象に仕上げられています。
高出力のエンジンを搭載したモデルも展開し、「アスリート」という名の通り、走りを楽しめるように設計されました。
ゼロクラにはどういった機能や装備が搭載されていた?
ゼロクラは約20年前に発売された車ですが、さまざまな便利機能が搭載されていました。
ここでは、ゼロクラに搭載されていた機能を3つご紹介します。
ヘッドランプコントロールシステム
ヘッドランプコントロールシステムとは、ロービーム下部のランプが車速とハンドル操作から3秒後に到達する位置を自動で予測し、照射することでコーナリング時の視認性を高める機能です。
車速30km/h以上で夜間を走行しているときに、ハンドリング操作に応じて点灯します。
プリクラッシュセーフティ
プリクラッシュセーフティは、ブレーキを踏み込む速度などから急ブレーキがかかったことを判断し、運転席や助手席のシートベルトを巻き取って乗員をしっかりと拘束する機能です。
この機能により急ブレーキがかかったときに、人が前に飛び出してしまう危険を防止できます。
スマートエントリー&スタートシステム
スマートエントリー&スタートシステムは、スマートキーを携帯した状態で車に近づいたときに、ドアミラーのランプが点灯して足元を照らしたり、ドアハンドルを握るだけでドアロックを解除できたりする機能です。
さらに、ブレーキを踏みながらエンジンスイッチを押すだけでエンジンを始動できたり、ドアハンドルのスイッチを押すだけでドアをロックできたりするなど、各操作をスムーズにできます。
現行のクラウンの特徴とは
現行のクラウンは、2003年のゼロクラ発売から約20年後に発売されたモデルで、16代目に当たります。
現行クラウンは「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」が発売され、「エステート」は2024年6月頃に発売されると言われています(2024年5月時点)。
現行クラウンは時代の変化、多様化するユーザーのニーズに応えるべくそのデザインを大きく刷新。今までのイメージを大きく変えました。
ここでは現行クラウンの特徴についてご紹介します。
スタイリッシュで先進的なデザイン
これまでのセダンらしいセダンというデザインから、流線型でスタイリッシュなデザインが採用されました。
クラウン(クロスオーバー)
SUVでもセダンでもない、力強いスタイルで、正面からの印象はクラウンだと気づかれないかもしれないほど。
21インチや19インチの大きなタイヤを採用しており、躍動感も感じられます。
走りは、振動が少なく安定した走りと意のまま操作できる操縦性のバランスがよく、クロスオーバーならではの快適さを併せ持ちます。
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クラウン(スポーツ)
クラウンのSUVとして、シンプルでありながら圧倒的な美しさを体現したモデルです。
クロスオーバー同様21センチのタイヤを設定し、美しさと上質な走り、乗り心地を併せ持ちます。
SUVであるスポーツはAVS(電子制御サスペンション)により減衰力を制御するため、意のままにできる操縦性とコーナリングの安定感を楽しめます。
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クラウン(セダン)
フロントフェイスは、鋭さとワイドさを強調するハンマーヘッドと、縦を基調としたパターンの大型のグリルを組み合わせた存在感があります。
セダンは乗り心地の良さを追求しており、滑らかで振動の伝わりにくい乗り味が特徴です。セダンでは燃料電池車もラインナップされています。
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「全席特等席」を目指した室内空間
現行クラウンは、どの席に座っても特等席のような感覚を味わえることを目指して設計されているのが魅力です。
運転席はインパネを水平に設計することで、視線移動を最小限化しています。
助手席や後部座席は見晴らしのよさと居心地のよさを実現しています。
乗り降りのしやすさにもこだわり、負担を感じにくい地上高に設定しているのも特徴です。
進化した安全性能
現行クラウンでは、衝突回避支援パッケージである「トヨタセーフティセンス」を全車に標準搭載しています。
さらに、先進技術で安全をサポートするトヨタチームメイトの駐車支援システムが進化しています。
スイッチ1つで駐車操作を支援するアドバンストパークは、従来のバック駐車に加えて前向き駐車、バック出庫、前向き出庫も可能になりました。
駐車時に障害物を検知した際はブレーキ操作も行うため、駐車時、出庫時の事故も防止できます。
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まとめ
トヨタは、人々の働き方やライフスタイルの変化に合わせて柔軟にクラウンを変化させ、長い歴史を築いてきました。
ゼロクラウンはクラウンの歴史の中で変革期を担った車です。
従来の落ち着いた高級感のある雰囲気を残した「ロイヤル」と、スポーティで若者も乗りやすいスタイリッシュなデザインの「アスリート」の2種類で、幅広いニーズに応えられるように進化しました。
現在はこれまでのセダンタイプに縛られず、「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」を発売しています。
2024年中頃には「エステート」の発表も予定されており、クラウンは今後も目が離せない車となるでしょう。
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