車の走行距離は20万キロを超えても余裕?長く乗るためのメンテナンス方法について

車の買い替えの頻度は人それぞれ異なり、数年で買い替える人もいれば、何年も乗り続けたいと考える人も多いでしょう。

車の買い替えは、その車の走行距離によって決めるのが一般的です。
近年では、車の性能が向上し走行距離が20万キロを超えても余裕と感じる人もいるでしょう。

この記事では、車の走行距離が20万キロを超えても乗り続けられるのか解説します。

また、走行距離が20万キロを超えた車のリスクや、メンテナンス方法などについても解説するため、自身が気に入った車に長く乗り続けたい人は参考にしてください。

関連記事:【2023年】中古車のおすすめを車種ごとに14台紹介!選び方や注意点も解説

車の走行距離は20万キロを超えても余裕?

タイミングベルト
タイミングベルト

これまでは、「タイミングベルト」と呼ばれるエンジン回りのゴム製の部品が劣化しやすく、走行距離10万キロがタイミングベルトの交換時期であるといわれていたため、その時期に車の買い替えを検討するのがよいとされていました。

近年では、ゴム製のタイミングベルトではなく、耐久性が高い金属製の「タイミングチェーン」の車が増えたことや、車の性能が以前と比較して大幅に向上しています。

タイミングチェーン
タイミングチェーン

そのため、適切なメンテナンスを続けていくことにより、走行距離20万キロ超の車でも乗ることができるようになりました。

ほかにも、以前より道路環境がよくなったことで車への負担が軽減していることや、車の塗装の品質が高くなっており、車の外観が劣化しにくくなったことも、車に長く乗れるようになった理由と考えられます。

関連記事:走行距離が10万キロを超えている中古車を購入するメリットやデメリット、長く乗るためのポイントを紹介

走行距離が20万キロを超えた車に乗るリスク

近年の車は性能が高くなったため、走行距離が長くなっても乗れますが、走行距離20万キロ超の車に乗り続けることによるリスクもあります。

ここでは、走行距離が20万キロを超えた車のリスクについて解説します。

関連記事:車の走行距離を解説!中古車を購入する際の走行距離の目安を紹介

税金が高くなる

走行距離が20万キロを超えた車に乗り続けるリスクとして、税金が高くなることが挙げられます。

税額が上がる税金は以下の通りです。

  • 自動車税(軽自動車の場合は軽自動車税)
  • 自動車重量税

自動車税は、車の排気量によって税額が設定されていますが、車の年式によっても変わります。
新規登録から13年以上経過したガソリン車の場合、約15%(軽自動車税は約20%)税金が高くなる仕組みです。

自動車重量税は、車両の重さによって税額が設定されていますが、自動車税と同様に車の年式によって税額が変わります。
こちらも新規登録から13年以上経過した場合、税額が上がり、18年経過した場合はさらに上がる仕組みです。

走行距離20万キロ超の車は、新規登録から13年以上経過している可能性が高いため、これらの税金が高くなることが多いでしょう。

関連記事:自動車重量税はいくらかかる?納付時期や納付方法も合わせて解説

修理や車検の費用が高くなる

走行距離20万キロ超の車は、さまざまな部品が劣化していることが多く、車検の際に不具合が見つかることがあります。

走行距離が長いからといって車検自体の費用が高くなることはありませんが、車検の際に修理や部品の交換が必要となった場合にそれらの費用が加わるため、予想外に車検の費用が高いと感じることもあるでしょう。

また、走行距離20万キロ超の車は既に生産終了になっているものもあり、修理の際に純正部品との交換ができず、修理に時間がかかったり、費用が高くなったりすることもあります。

関連記事:車検費用はいくら?相場や節約するコツ、内訳も解説

買取価格が安くなる

車を手放す場合、走行距離20万キロ超の車は、下取り価格が低価格もしくは値段がつかない可能性が高くなります。

しかし、日本の車は性能がよく海外でも人気があるため、海外であれば走行距離が長い車でも高い値段で買い取られることがあります。

そのため、海外に販路を持つ中古車買取業車などに持ち込んだほうがよいでしょう。

走行距離が20万キロを超えた車のメンテナンス方法

車のメンテナンスをする女性

走行距離20万キロ超の車に乗り続けていく場合、必要なメンテナンスとしてどのようなものがあるのでしょうか。

下記にまとめました。

定期的なエンジンオイルの交換

定期的なエンジンオイルの交換は、車に長く乗り続けるための重要なメンテナンスといえます。

エンジンオイルは、エンジンを正常に作動させるために不可欠なものです。
定期的な交換を行わない場合、オイルが劣化して燃費性能の低下や異音などの原因となり、最悪の場合エンジンを交換することになりかねません。

走行距離5,000kmごとを目安にエンジンオイルの交換をしたほうがよいでしょう。

関連記事:エンジンのオイル交換は1万キロで大丈夫?適切なエンジンオイルの交換時期を解説

タイミングベルトの交換

タイミングベルトの交換時期の目安は、先述の通り走行距離10万キロといわれています。
走行距離20万キロ超の車は、タイミングベルトが劣化している可能性が高いため、10万キロごとに自動車修理工場にて状態を確認してもらい、必要であれば交換を依頼しましょう。

バッテリーの交換

バッテリーは車の電気系統の稼働のもととなる重要な部品です。
バッテリーの寿命は2、3年程度といわれており、車検のタイミングで確認をし、劣化していた場合は交換を行うようにしましょう。

関連記事:車のバッテリーの寿命はどのくらい?長持ちさせる6つのコツを紹介!

その他

上記以外にもメンテナンスが必要なものとして、エンジンのオーバーヒートを防ぐ役割を果たすウォーターポンプや、足回り(タイヤなど)が挙げられます。

また、運転する際の心がけとして、急ブレーキや急発進をなるべくしないことも重要です。
優しい運転をすることで、車に与えるダメージを減らせるため、車を長持ちさせることにつながります。

車を長持ちさせるコツ

好きな車ほど、できるだけ長く乗りたいですよね。

大切な愛車を長持ちさせるコツは、以下です。

  • バッテリーの交換
  • エンジンオイルの交換
  • タイミングベルトの交換
  • ウォーターポンプの点検
  • デフオイルの交換
  • 定期的に洗車をする

バッテリーの交換

バッテリーの交換時期の目安は車種によって異なります。
2〜3年を目安に交換すると良いでしょう。

「エンジンのかかりが悪い」「エアコン、ライトの動作が不安定」などの症状が発生したら、
バッテリーの交換が必要です。

さらにバッテリーが上がるのを防ぐため、半ドアや室内灯、ライトの消し忘れがないように心がけましょう。

またバッテリーの寿命を延ばすためバッテリー液の残量を定期的に点検・補充を行いましょう。

エンジンオイルの交換

メーカー推奨のエンジンオイルの交換時期は、

  • ガソリン車:走行距離15,000km or 1年
  • ターボ車:走行距離5,000km or 6ヶ月

と言われています。

エンジンオイルの品質を保つことは、エンジンはもちろん車全体の故障の予防にもつながります。
オイルが汚れていないか、適正な量が入っているのか、定期的に確認しましょう。

タイミングベルトの交換

タイミングベルトの交換目安は、10年(10万km)と言われます。

交換時期を過ぎた状態で乗り続けると、ゴムが切れて、しまいにはエンジンが止まってしまいます。
大事故につながりかねません。

定期的に必ず確認しておきましょう。

ウォーターポンプの点検

ウォーターポンプとは、エンジンの熱を覚ますためのものです。

ウォーターポンプの目安となる交換時期は10万kmと言われています。
冷却水が漏れたり、エンジン付近から「キーン」「ウィーン」と言う異音が生じている場合は、ウォーターポンプに異常が発生している可能性があります。
すぐに交換しましょう。

デフオイルの交換

デフオイルとは、タイヤの回転数を調整するディファレンシャルという部品に関するオイルです。
走行の安定性を保つ役割があります。

目安となる交換時期は、2万kmまたは2年と言われています。
ただし山道などのカーブを曲がる走行が多い場合、消耗が早くなりやすいです。

山道でのドライブが多い方は、特にメンテナンスを怠らないようにしましょう。

定期的に洗車をする

ボディの見える部分だけではなく、下回りやボンネットの中など、可能な限り綺麗な状態を保ちましょう。

錆、汚れは車の性能を落とす原因になります。

こまめに洗車し、愛車と長くカーライフを楽しんでください。

車の走行距離が20万キロを超えたときに検討すべきこと

車のエンジンルーム

走行距離が20万キロを超えた場合、気に入っている車であればそのまま乗り続けるか、買い替えるかで悩むことでしょう。

ここでは、走行距離が20万キロを超えたときに検討すべきことについて解説します。

関連記事:伊藤かずえさんの愛車である日産のシーマとは?レストアの経緯を解説

修理に出す

こまめにメンテナンスを行い、不具合があった場合は修理を依頼することで、走行距離20万キロ超の車でも長く乗り続けられるでしょう。

しかし、走行距離が長い車はさまざまな部品が劣化している可能性が高いため、修理代が高くなることが考えられます。

例えばタイミングベルトの交換にかかる費用は10万円以上となることが多いです。
燃費性能も低下していることが多いため、新しい車と比較して維持費がかさむ点は考慮する必要があります。

関連記事:社用車リースは自腹で修理しても問題ない?修理が必要になった場合の対処法をご紹介!

売却する

走行距離が20万キロを超えた時点で、車を手放すことを検討する人も多いでしょう。

走行距離が長い車をディーラーで下取りを依頼する場合は値段がつかないか、引き取り手数料が発生することがあります。

また、中古車買取業者の場合は、車の状態がよければ値段がつく可能性があります。

廃車の買取業者の場合は、部品単位で買取を行っているため、車自体に値段はつかなくても買い取られる可能性が高くなります。

関連記事:中古車購入や売却を考える際の車の走行距離の目安はどのくらい?

まとめ

この記事では、走行距離が20万キロを超えた車でも乗り続けるのが余裕なのかについて解説しました。

近年の車は、従来と比較して性能が向上しているため、正しいメンテナンスをすることで、長く乗り続けることができます。

しかし、20万キロを超えた車は、税金が高くなったり、修理や車検の費用が高くなったりするリスクもあるため、売却を検討するのも得策です。

これらのリスクを考慮しても自身が気に入った車に長く乗り続けたい人は、定期的にメンテナンスを行い大切に扱いましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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