チャイルドシートは何歳まで使う?例外や選び方、いつまで必要か解説
チャイルドシートは運転中の車内において子どもの安全を守る役割がある大切なものです。
子どもは着用しなければならないということを知っていても、具体的に何歳まで着用すべきなのか、どのような決まりがあるのかといった点まで理解している人は少ないのではないでしょうか。
チャイルドシートの着用ルールは道路交通法で定められており、親の判断で勝手に着用の有無を決めると、法律に違反する可能性もあります。
この記事では、何歳まで着用しなければならないのか、着用しなくてもよいケースやチャイルドシートの選び方のポイントなどを解説しますので、ぜひ最後まで読んでご参考になさってください。
チャイルドシートについて理解を深め、子どもの安全を守りましょう。
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INDEX
チャイルドシートの着用義務は何歳まで?
道路交通法では、6歳未満の子どもは、チャイルドシートを着用しなければならないと定められています。
児童(六歳以上十三歳未満の者をいう。以下同じ。)若しくは幼児(六歳未満の者をいう。以下同じ。)を保護する責任のある者は、交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において、児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない。
引用元:道路交通法第十四条 2
道路交通法では上記の通り、6歳未満のお子さまを「幼児」、6歳以上13歳未満で「児童」と定義しています。
チャイルドシートを着用しない状態で、6歳未満の子どもを乗せて運転した場合、幼児用補助装置使用義務違反(ようじようほじょそうちしようぎむいはん)として、運転手に違反点数1点が加算されます。
反則金はありませんが、子どもの安全を守るためにもきちんと着用しましょう。
捕まらなければいいと思って準備しないでいるのはよくありません。
また、自分の車だけでなく、友人などの車やレンタカーに乗るときにも着用義務が発生するため、注意が必要です。
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チャイルドシートをしなくてよいのはどんな時か?

チャイルドシートは着用が義務付けられていますが、緊急時などを含み必ずしも着用しないといけないというわけでもありません。
チャイルドシートをしなくてもよいケースも定められています。
ここでは、どんな場合に着用義務が免除されるのか、8つのケースについて紹介していきます。
車の構造上、固定できないとき
座席にシートベルトがない車や、腰ベルトのみの2点式シートベルト、両肩と腰ベルトを備えた4点式のシートベルトが装備されている車などは、チャイルドシートが固定できません。
なお、チャイルドシートを固定できない車であっても、シートベルトを着用させて運転することはできます。
ただし、シートベルトは140cm以上の体型に合わせて設計されているため、チャイルドシートと同等の安全性を保つことはできません。
このような場合には、着用義務が免除されます。
使用することで全員が乗り切れなくなるとき
5人乗りの車に、大人2人と6歳未満の子ども3人が乗車する場合、チャイルドシートを3つ取り付けると、大人1人が乗れなくなります。
どういう方法でも乗ることができない場合、全員が乗れる状態で取りつけられる、最大数のチャイルドシートを使用すれば問題ないとされています。
怪我の療養や健康保持をするうえで、着用が適していないとき
腕を骨折していて、療養のために着用しない方がよい場合や、精神的な障害により着用が難しい場合などは着用しなくても法律違反にはなりません。
肥満や身体の状態により、着用が困難なとき
肥満など、体が大きくてチャイルドシートに座るのが難しい場合などは、着用しなくてもよいとされています。
授乳などの世話をするとき
車内で授乳をするときなどは、着用していなくても問題ありません。
しかし、授乳後は抱っこしたままではなく、チャイルドシートを着用させなければ違反となるため、注意しましょう。
タクシーやバスで移動するとき
タクシーやバスの場合、事前に何人の子どもを乗せることになるか想定できないため、着用義務が免除されています。
また、バスは構造上、チャイルドシートを固定できない場合が多いことも着用義務が免除される理由です。
自治体が運行するバスなどに乗るとき
バス路線が廃止された過疎地域などを走る、自治体が運営するバスに乗るときも、路線バスと同様に、事前に何人の子どもを乗せることになるか想定できないなどの理由から着用義務が免除されています。
応急救護のために病院などに緊急に搬送するとき
急な病気で子どもを病院に連れていくときなど、緊急を要するときは着用しなくてもよいとされています。
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チャイルドシートは助手席に設置しない方がよい理由とは?
後部座席に乗せると、子どもが泣いてしまうなどの理由から、目が届く助手席にチャイルドシートを設置したいと考える人もいます。
道路交通法においても、設置する位置までは定められていないため、助手席に設置しても法律上は問題ありません。
しかし、一般的には助手席に設置しない方がよいとされています。
これは助手席にはエアバッグが装備されているため、事故のときに強い衝撃を受ける可能性があるためです。
助手席に後ろ向きで設置すると、衝突時にエアバッグが開いたとき、助手席の背もたれとチャイルドシートの間に子どもが挟まれ、大怪我をする恐れがあります。
前向きに設置した場合もエアバッグとチャイルドシートの間に挟まれ、強く圧迫されるため危険です。
万が一の場合の子どもの安全のためにも、チャイルドシートは後部座席に設置することをおすすめします。
関連記事:チャイルドシートは助手席につけてはダメ?シートの種類別に設置すべき位置を紹介
チャイルドシートの種類と特徴について
チャイルドシートは、体格に合わせて3種類に分けられます。
子供の成長に応じて適切なものを使えるように準備することが大切です。
ここでは、チャイルドシートの種類と特徴について解説しますので買い替え時期の目安としてください。
ベビーシート
ベビーシートは、新生児から1歳前後の乳児に適したシートです。
身長は70cm以下、体重は13kg未満を対象としています。
首が座っていない繊細な乳児の体を衝撃や振動から守る役割があります。
シートベルトで固定する一般的なものから、乳児を起こさないようにベビーカーにそのまま取りつけられるトラベルタイプ、乗り降りさせやすい回転式など、さまざまな種類があります。
一般的なものであれば1万円前後であり、機能性の高いものであれば5万円前後で購入できます。
チャイルドシート
チャイルドシートは1〜4歳前後の子どもに適したシートです。
身長は60〜100cm程度、体重は9〜18kg程度を対象としています。
首が座り、自力で座れるようになった頃から使い始められます。
大きな背もたれで身体を包みこみ、ハーネスでしっかりと身体を固定できるのが特徴です。
回転機能やリクライニング機能がついたものもあります。
一般的なものであれば2万円前後から購入でき、機能性の高いものであれば4〜7万円程度で購入可能です。
ジュニアシート
ジュニアシートは、4〜10歳前後の子どもに適したシートです。
140cm以上の身体に合わせて設計されているシートベルトを適正に着用できるよう補助する役割があります。
ジュニアシートを使用することで、首にベルトが接することを防止でき、腰ベルトも腹部ではなく骨盤の位置に合わせられます。
一般的なものであれば1万円前後から購入可能です。
リクライニング機能を搭載したものや、丸洗いできるものなどは、2〜5万円程度で購入できます。
チャイルドシートを選ぶときのポイント
ここでは、チャイルドシートを選ぶ際のポイントを紹介します。
子どもの成長に合わせる
チャイルドシートは、子どもの成長に合わせて適切なものを使用することが重要です。
身体に合っていないものを着用していると安全が確保されません。
決して安い買い物ではないため、成長に合わせて買い替えるのが大変だという人は、レンタルを利用しましょう。
レンタルであれば、1週間あたり3,000円程度で借りられます。
頻繁に車に乗る場合は、購入する方がお得かもしれませんが、一時的に使用する場合はレンタルの方が費用を抑えられます。
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自分の車に設置できるか確認する
チャイルドシートは、シートベルトで固定するものと、シートベルトを使わず、車の固定金具と連結して固定するISOFIX取り付けのものがあります。
ISOFIXはシートベルトと違い、取り付けミスをしにくく、誰でも簡単にしっかりとチャイルドシートを固定することができます。
しかし、古い車の場合、ISOFIXタイプが取り付けられない可能性もあります。
2012年7月以降に販売された車にはISOFIX金具の設置が義務付けられているため、古い車でなければ固定可能です。
購入前に、ご自身の車種に対応しているチャイルドシートを確認しておくと安心です。
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Eマークがついているものを選ぶ
国の安全基準を満たしているチャイルドシートには「Eマーク」がつけられています。
Eマークがあることを確認して購入しましょう。
なお、2012年6月30日以前に製作されたチャイルドシートには、古い安全基準を満たしていることを示す「自マーク」がつけられているため、友人などから中古品を譲り受ける場合にはチェックしましょう。
まとめ
6歳未満の子どもは、チャイルドシートを着用しなければならないと、道路交通法で定められています。
例外を除き、きちんと着用していない場合は運転手に対して違反点数1点が加算されます。
反則金はありませんが、子どもの安全を守るためには身体のサイズに合ったチャイルドシートを後部座席に設置し、着用することが大切です。
また、子ども用のシートにはベビーシート、チャイルドシート、ジュニアシートの3種類があり、子どもの体格に合うものを使うようにしましょう。
また、購入だけでなくレンタルすることもできるため、利用頻度を考慮しつつ、費用を抑えたい人は検討してみましょう。
万が一の事故にあったときに後悔しないためにも、チャイルドシートを適切に使用しましょう。