ワゴンRのエバポレーター交換のタイミングはいつ?費用や保証についても解説
自動車のエアコンの効きが悪い場合、「エバポレーター」という機器が故障している可能性があります。
特にスズキのワゴンRは、エバポレーターがリコール対象となったモデルがあり、他の車種に比べると交換が必要になることも多い可能性が高いです。
しかし、エバポレーターと聞いてもピンとくる人の方が少ないでしょう。
そこで今回は、エバポレーターの役割や交換に関して紹介します。
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INDEX
そもそもエバポレーターとは?
エバポレーターとは、室内に冷たい空気を送るために必要な部品のことです。
日本語に訳すと熱交換器を意味します。
車のエアコンは、エンジンルームに搭載されたコンプレッサーによって圧縮されたエアコンガスが、エバポレーターに送り込まれる仕組みとなっています。
涼しい風が勢いよく出てくるのは、ブロアファンと呼ばれる扇風機のような形状をした機械が、冷えたエバポレーターに室内の空気を送り込んでいるからです。
とても端的にいえば、エアコン内に取り込まれた風が冷えたエバポレーターを通ることで冷やされ、それが噴き出し口から流れ出ることで車内を冷やしているのです。
室内の空気をエバポレーターに送り込み、冷たい空気に変えているため、エバポレーターはエアコンの効きに直結する部品といえるでしょう。
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ワゴンRのエバポレーター交換のタイミングとは?
ワゴンRのエアコンの効きが悪くなったと感じた場合、エバポレーターの故障が原因の1つとして考えられるでしょう。ここからは、交換のタイミングをご紹介します。
エアコンが冷えなくなった
エアコンを入れているにも関わらず、車内が全然涼しくならず効きが悪いと感じたときは要注意です。
車のエアコンは、エアコンガスを圧縮することでエバポレーターを冷やします。
しかし、配管の接続不良や経年劣化により、ガスが漏れる可能性もあります。
エアコンが冷えなくなった感じた際は、エアコンガスを追加してみるのも一つの手です。
もしエアコンガスを追加しても解決しない場合は、エバポレーターの故障が考えられます。
ワゴンRはエバポレーターがリコール対象になったモデルもあるため、無料で交換してくれる可能性があります。
しかし、新車を登録して9年までが補償期間となるため、エバポレーターの故障の疑いがある際は、何年に購入したか、確認するようにしましょう。
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匂いがする・風が出てこない
エアコンから異臭がする場合には、エバポレーターの交換をすべきといえます。
車のエアコンはエバポレーターに風を当て冷風を送り出す仕組みです。
そのため、エバポレーターにホコリや汚れが付着すると異臭を発生することがあります。
ワゴンRは、エバポレーターとブロアモーター(空気を送り出したりする部品)の間にエアコンフィルターがあるため、エアコンフィルターの掃除や交換で改善するケースもあるでしょう。
しかし、交換しても匂いが取れない場合は、エバポレーターに悪臭が移っている可能性があるため、交換が必要です。
また、エアコンの風力が弱い場合、エアコンフィルターやエバポレーターにホコリや汚れが詰まっている可能性があります。エバポレーターが目詰まりしている場合も、交換が必要です。
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ワゴンRのエバポレーター交換にかかる費用とは?
ワゴンRのエバポレーター交換にかかる費用は、どのくらいかかるのでしょうか?
依頼する場合と自力で修理する場合の2パターンを紹介します。
依頼する場合の費用の目安
ワゴンRに限らずエバポレーターの交換は、比較的高額な修理になります。
エバポレーターはダッシュボードのなかにあるため、取り外さないと交換できません。
また、エバポレーターの取り外しはダッシュボードを開けばすぐに取り出せるというわけでもありません。
さまざまな部品の取り外す必要があります。
そのため、作業工賃が高くなりやすい修理といえるでしょう。
加えて、エバポレーターの交換を行った場合ガスのチャージも必要です。
交換だけでなくガスチャージの料金も発生することを覚えてくとよいでしょう。
基本的に交換にかかる費用は5万円前後といったところです。
しかし、作業の内容によってはそれ以上の8万円程度かかる場合もあります。
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自力で修理を行う場合の費用の目安
エバポレーターの交換は、自力で行うこともできます。
自分で交換ができれば、必要費は部品代だけのため修理にかかる費用を抑えられるでしょう。
エバポレーター本体の価格は2万から5万前後です。安価なものだと15,000円ほどで販売されています。
しかし、ダッシュボードを取り外す必要があるため、車の構造を理解していない人だと困難といえます。
また、エアコンガスの補充が必要ですが、組み付けが不十分の場合、再度組み直さなければなりません。
何度もエアコンガスの補充を行った場合、依頼したほうが安くなることもあります。
慣れている人でなければ、プロに依頼することをおすすめします。
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その他にエアコンが利かなくなる原因について
エアコンが効かなくなる原因は、エバポレーターの故障の他にもさまざまな原因があります。ここからは、エバポレーターの故障以外の原因についてご紹介します。
ブロアモーターの故障
ブロアモーターが故障するとエアコンが効かなくなります。
この部品が故障するとエアコンの送風口から冷風が出てこない、あるいは出てきたとしても風力が弱く感じられます。
もし、エバポレーターやフィルターに問題がないにも関わらず冷風が出てこない場合はブロアモーターが故障している可能性があります。
また、ブロアモーターは動作時に稼働音がします。
エアコンが効かない場合、エアコンの風量を切り替えて音を確認してみましょう。
音がしない場合は、ブロアモーターが故障しているか、ブロアモーターの配線が故障や断線をしている可能性が高い可能性があります。
他の部分からのガス漏れ
エバポレーターの故障が確認できず、ブロアモーターも稼働しているものの、送風口から冷たい風が出てこない場合、エアコンガスが他の場所から漏れている可能性があります。
特に、エアコンガスを補充した直後にも関わらずエアコンが効かない場合は、ガス漏れを疑いましょう。
エアコン用のガスは、抜けや漏れがわかるように蛍光塗料が含まれているものがあります。
そのため、エンジンルーム内に蛍光塗料のような色が付着している場合は、エアコンガスが漏れている疑いがあります。
コンプレッサー周りの故障
エアコンのガスを圧縮するコンプレッサーが故障した場合、エアコンが効かなくなります。
しかし、コンプレッサーの故障は判断が難しく、普段からエンジンルームを覗いている人や、車の仕組みを理解している人でないと判断が難しいでしょう。
また、ワゴンRはエンジンルームが覗きにくい構造であるため、故障しているか判断が難しい車種といえます。
ガス漏れがなくブロアモーターが動いている場合、修理工場やディーラーで検査を依頼するようにしましょう。
古い年式のワゴンRの場合、コンプレッサーを動かすエアコンベルトが切れているケースがあります。
エアコンベルトは、前方のナンバープレート付近に設置されているため、自身で取り外すよりもプロに依頼することがおすすめです。
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まとめ
エアコンは、車内空間の室温を快適に保つため、必要な機能といえます。特に夏場の場合、エアコンを点けないと、熱中症を発症する可能性もあるでしょう。
エアコンにおける重要な部品が、エバポレーターです。
定期的に交換する必要がある部品ですが、スズキのワゴンRはリコール対象となっているモデルがあります。
エバポレーターの故障が疑われる場合は、リコールの保証期間か調べるようにしましょう。
今回は、エバポレーターの役割や交換費用についてご紹介しました。
エアコンが故障する原因には、さまざまな要因が挙げられるため、今回ご紹介した内容を基に、プロへの依頼が必要か、判断してください。