残クレ(残価設定ローン)にはデメリットしかないと言われる理由や向いていない人を解説

車の購入を検討する際は、支払い方法をどうするかを決める必要がありますが、支払い方法は一括払いだけでなく、ローンを組んで分割で支払う方法を選ぶことも可能です。

ローンと言ってもその種類はさまざまで、そのうちの一つである残クレ(残価設定ローン)は支払い総額を抑えつつ、新車への乗り換えが簡単なことから注目を集めているローンですが、デメリットしかないと言われているようです。

今回は、車を購入する際の支払い方法のうち「残価設定ローン」がデメリットしかないという理由や代わりの方法について解説していきます。

関連記事:残クレで得する人の特徴は?デメリットや契約前のチェックポイントを解説

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残価設定ローンとは

残価設定ローンとは最近注目を集める車のローン形態の一つです。

一般的に「残価ローン」や「残クレ」と呼ばれます。

残価設定ローンは、契約するときに返済期間に合わせて残価を設定します。
残価を差し引いた金額を契約の月数で割って返済してくことが残価設定ローンの仕組みです。

ちなみに残価とは、ローン契約終了時において想定される車の下取り価格、車に残される(と想定される)価値のことです。

関連記事:車のローンが通るか調べる方法や審査基準について徹底解説します!

残クレにはデメリットしかない?

月々の返済額をおさえられる残クレですが、実際に利用する際はどのようなデメリットしかないと言われるほどの注意点がどれだけあるのでしょうか。

事前に把握しておくことで、残クレ利用による失敗を防ぐことができます。

残クレのデメリットは以下の通りです。

  1. 走行距離に制限がある
  2. 乗り換えは原則同じメーカーである
  3. 車の返却もしくは残価精算が必要である
  4. 追加費用がかかる
  5. 金利が高い傾向にある
  6. 所有権がなく解約ができない

走行距離に制限がある

残クレでは車自体の価値を担保するために、走行距離に制限がかかっています。メーカーや企業によって制限は大きく異なりますが、月に1,000~1,500 kmが平均とされています。

制限を超えてしまうと、追加料金を支払うことになってしまうため注意が必要です。
特に趣味や通勤などで長い距離を走行する場合は、制限を超えることが予想されるため、残クレの利用をおすすめできません。

乗り換えは原則同じメーカーである

残クレを活用して車を乗り換える際は、原則同じメーカーの車を選択します。
ローンの支払いが残っている状態では乗り換えできる車種が限られているため、乗りたい車に乗れるわけではありません。

ほかのメーカーを変更したい場合は、残価を一括で精算しなくてはなりません。ローンを返済すればメーカーを乗り換えられる仕組みであるため、さまざまな車種に乗りたい場合はフルローンの活用をおすすめします。

車の返却もしくは残価精算が必要である

フルローンであれば金額すべてを完済することで車は自身のものとなり、走行距離やカスタマイズなどの制限なく自由に使用できます。

一方で、残クレを利用して車を購入した場合は、契約終了時に車を返却して新しい別の車に乗り換えるか、残価を一括で支払い車を買い取る必要があります。
残価を支払えない場合は、車を返却する以外の選択肢がないため、資金は十分に溜めておきましょう。

追加費用がかかる

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制限距離オーバーや車体に損傷があった場合には、契約終了時に追加費用を請求されるケースがあるため注意が必要です。特に損傷が大きい場合だと修復歴が車に残り、取引が厳しくなるため、残価分の金額を支払うことになる可能性が考えられます。

査定額が大きく下がるうえ、追加の支払いが発生すると、費用の負担は大きくなってしまうでしょう。

残クレを利用して車を購入する場合は、契約時における車の状態を維持しつつ、走行距離オーバーなどにも十分に注意しなければなりません。

金利が高い傾向にある

残クレは通常のローンよりも金利が高い傾向にあるため注意が必要です。
また、一般的に残クレはディーラーローンより安い傾向にありますが、残価にも金利がかかるため、利息の総額がディーラーローンを超えるケースも見受けられます。
利息の支払いを安く済ませたい場合には、残クレではなく、ほかのローンの活用をおすすめします。

所有権がなく解約ができない

残価設定ローンはディーラーや販売店で組むディーラーローンの一つです。
車が担保となっているケースが多く、所有権はディーラーとなるケースがほとんどです。

使用者が変わるケースや使用地域が変わる場合、ディーラーへ連絡し対応をお願いする手間が発生します。

このような手間はデメリットといえるでしょう。

また、下取りをすることが前提なため、途中の解約ができないことにも注意が必要です。
事故などが原因で万が一途中で解約をする場合、残りのローンの金額に加えて下取り価格である残価分の支払いが必要となります。

関連記事:残クレとは?仕組みや注意点について初心者向けにわかりやすく解説!

関連記事:車のローンは平均何年?返済額はどのくらいになるのかや購入の流れも紹介

残クレにはメリットもある

いいドライブイメージ

注目を集める残価設定ローンにはさまざまなメリットがあります。
ここでは、3つのメリットを紹介します。

月々の支払いを抑えて計画を組みやすい

残価設定ローンのメリットは一般的なローンと異なり、月々の支払いを安く抑えられ、毎月の負担を軽減することができる点にあります。

一般的なローンが車両価格すべてを支払うローンとなる一方で、残価設定ローンでは車の下取り価格を差し引いた金額を支払うローンを組むことが可能です。

そのため支払い総額を抑えることができ、月々の支払いは一般的なローンと比較し、安く抑えることが可能になるのです。

また、手放すタイミングや下取り価格が早期に分かるため、その後のローンの計画を組みやすいのもメリットの一つです。

ローン完済時に選択肢が複数ある

残価設定ローンではローン完済時に車をどうするか選択することができます。

一般的にローン完済時の選択肢は「乗っていた車を販売店に返却する」「下取り価格を差し引いて新車に乗り換える」「車を買い取って所有権を持つ」の3種類であることが多いです。

そのため、車を一定期間しか乗らないケースや新車への乗り換えを検討している場合は車を手放すことができます。

また、車を気に入って所有したいと思った場合は、購入時に差し引かれていた下取り価格を支払い、買い取ることも可能です。
数年乗った後に、残っている金額を支払う段階で買い取るのか、売却するのかを選べることもメリットといえるでしょう。

乗り換えがしやすい

残価設定ローンの魅力ともいえるメリットは乗り換えがしやすいことです。
残価設定ローン完済時に乗り換える場合、下取り価格である残価を乗り換える車の購入費用を補填することが可能なディーラーがあります。

そのため残価設定ローンを組んだ場合、3年や5年などの定期スパンで新車に乗り換えることが可能です。
最新の車に安く乗り換えることが可能になるのは大きなメリットといえるでしょう。

特に、複数のメーカーを扱う輸入車販売店などでは大きなメリットです。

ディーラーで残価設定ローンを組んだ場合、乗り換えの対象はそのメーカーに固定されてしまいますが、複数の会社を扱う販売店であれば他社メーカーの車に乗り換えることも可能です。

関連記事:審査に必ず通るオートローンは存在する?審査に通るためのポイントを紹介!

残価設定ローンの利用が向いている人

残価設定ローンは少し他とは違うローンであることから、人によっては向き不向きがあるローンです。
ここでは、残価設定ローンの利用に向いている人を紹介します。

常に新型車に乗りたい人や、生活が変化しやすい人

残価設定ローンの魅力は、新型車への乗り換えがしやすいことです。

残価設定ローンであれば下取り価格を差し引いて新型モデルに乗り換えることができるため、新型車が登場したタイミングで乗り換えがしやすくなります。
一般的に3年や5年ぐらいのスパンで新型モデルが発売される傾向にあるため、ローンを組むのにもちょうどよいといえるでしょう。

また、新型車に興味がない人であっても、子育て世代や転勤が多い人も残価設定ローンに向いている場合があります。

子供の成長や生活の変化にあわせて乗り換えることが可能になるため、タイミングに応じて最適な車に乗ることができるでしょう。

車の使用頻度が高くない人

車が必要ではあるものの、使用頻度が高くない人にも残価設定ローンはおすすめの購入方法です。

これには残価設定ローンに走行制限があることが関係しています。

たとえば、遠距離を走る人や車でドライブをすることが趣味の人の場合は、年間走行距離が多くなってしまいます。

しかし、近所の買い物などが中心で日頃から車に乗らない人であれば、走行距離は伸びません。

そのため、残価設定ローンで決められた走行距離内で収まる可能性が高くなります。

車は必要だけどあまり乗らない人は、車を通常のローンで購入するより、残価設定ローンで購入し乗り換えていく方がお得な場合があります。

関連記事:新車や中古車を購入する際に知っておくべきマイカーローンの金利について

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残価設定以外の自動車ローンについて

残価設定ローン以外にもいくつかのローンがあります。
ここでは、自動車ローンの種類を紹介します。

低い金利が魅力の銀行系ローン

銀行系ローンは名前の通り、主に銀行や信用金庫などの信用機関で組むローンのことです。

残価設定ローンと比較すると、審査が厳しくなりやすく、銀行に行く手間がかかるデメリットがあります。

しかし、車を担保に借り入れを行うわけではないため、車の所有車を自分名義にすることができることがメリットといえます。

金利は1%〜3%前後と低いことも特長であり、ローンでありながら支払い総額がそこまで高くないこともポイントです。
車を長期間所有するケースや自由に使いたいという人に向いているローンといえるでしょう。

自由度が高いディーラーローン

ディーラーローンとは、ディーラーや販売店で組むローンのことです。
広義的には残価設定ローンもディーラーローンの一つですが、一般的なディーラーローンは車の販売価格すべてをローン払いにするため、残価設定ローンとは違うローンとして扱われます。

メリットとして残価設定ローンより自由度が高いことです。
残価設定ローンと異なり、走行距離制限などがないうえ、カスタムなどもある程度自由にできるのが大きなポイントといえます。
一方で、銀行系ローンと比較しても金利が高い傾向にあるため、残価設定ローンより支払い総額が高くなってしまうことはデメリットです。
銀行系ローンと比較すると審査に通りやすいため、長期間にわたって車を所有する予定があるけれど銀行系ローンの利用が難しいケースで活躍するローンといえます。

関連記事:車のローンの平均年数はどのくらい?返済額や購入の流れも紹介

関連記事:コンパクトカーの安全性は実際どうなの?コンパクトカーの特徴や安全性の高い車と併せて紹介

まとめ

この記事では、残価設定ローンの概要やメリット・デメリット、その他のローンについて紹介しました。

残価設定ローンは近年登場し、注目を集め始めているローン形態です。
あらかじめ下取り価格を決定し、その分を差し引いた残価でローンを組むため、支払い総額を低く抑えることが可能になります。
また、ローンを支払い終わった後に車をどうするのか選べることもメリットの一つです。

しかし、残価設定ローンはメリットだけではなく、走行距離に制限がある・所有権がなく解約ができないなどのデメリットもあります。まずは複数のローンを比較し、残価設定ローンが自分にとって最適なのか確認したうえで検討しましょう。

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この記事を書いた人

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