ジムニーのタンク容量は40L!ガソリン満タンでの走行距離は何キロなのか燃費を解説!
ジムニーは、そのタフな走行性能とコンパクトなボディが魅力の軽SUVとして、多くのドライバーから支持されています。特にオフロード性能の高さや四輪駆動の安定感は、他の軽自動車では体験できない独自の特徴です。
しかし、そうした走行性能の高さと引き換えに、燃費については一般的な軽自動車と比較してやや劣る面もあります。
それもまた長所となっていますが、現代の車を所有するうえで、燃費は経済的な面からも環境負荷の軽減という面からも重要な要素となっています。
そこで今回は、ジムニーのタンク容量が40Lであることを前提に、ガソリン満タンで一体どれくらい走ることができるのか、そして燃費を最大限に引き出すためのコツについて解説していきます。
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INDEX
ジムニーのタンク容量とカタログ燃費
ジムニーのタンク容量は40Lです。ジムニーシエラと同等の数値であり、一般的な軽自動車のタンク容量と比較しても標準的ですが、ジムニーの燃費の悪さを考えると、燃費とタンク容量の関係を理解することが重要です。
そこで、ジムニーの燃費性能について見ていきましょう。
車によってはグレードごとに内部スペックが変化し、燃費にも違いが出るケースもあります。
ジムニーの場合は、グレードが違っても内部スペックは大きく変化しないため、燃費に関しても全グレードで同様です。
ただし、MTやATなどのトランスミッションの違いによって燃費が異なるため、その違いをチェックしておきましょう。
ジムニー/ パートタイム4WD | 5MT | 4AT |
WLTCモード | 16.6km/L | 14.3km/L |
市街地 | 15.6km/L | 12.4km/L |
郊外 | 17.5km/L | 15.1km/L |
高速道路 | 16.5km/L | 14.8km/L |
上記の通り、ジムニーはMTの方が燃費性能が優れています。
次に、ジムニーは燃費と国土交通省が定める燃費基準と比較してみましょう。
燃費基準とは、自動車メーカーが目標年度までに目指すべき燃費基準値を区分ごとに定めた値です。
ジムニーは車両重量が約1,000㎏であるため、求められる燃費基準値は27.3km/Lです。
カタログ燃費と燃費基準値を比較した場合、ジムニーは特別燃費のよい車であるとはいえません。
とはいえ、一般的なガソリン車程度の燃費性能はあることから、オフロードでの使用だけでなく公道や高速道路などの普段使いでも活躍する1台です。
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ガソリン満タンでの走行距離はどれくらい?
ジムニーのタンク容量40Lを基に、燃費に応じた走行可能距離をもう少し具体的に見ていきましょう。
先ほど示した燃費(WLTCモード)は理想的な条件下での数値ですので、実際にどの程度走行できるかをシミュレーションし、現実的な距離感を考察してみます。
ガソリンを満タンにすると、40Lのガソリンが入るので、上記カタログ燃費に40をかけていきます。
ジムニー/ パートタイム4WD | 5MT | 4AT |
WLTCモード | 664km | 572km |
市街地 | 624km | 496km |
郊外 | 700km | 604km |
高速道路 | 660km | 592km |
もちろん、実際の走行状況によりこれらの数値は変動しますが、概ねこの範囲を上限とした走行距離が期待できます。
また、郊外や高速道路でのドライブでは、効率的に距離を稼ぐことができますが、日常的な市街地での使用では少し燃費が落ちることを頭に入れておく必要があります。
市街地走行での最大距離
市街地走行では、信号待ちや低速走行、渋滞が多くなるため燃費が悪化しやすいです。
WLTCモードの市街地燃費は約16.6km/Lですが、実際にはエアコンの使用やストップ・アンド・ゴーの影響で、さらに燃費が低下する可能性もあります。
理想的な状況の場合(5MT)
- 40L × 16.6km/L = 約664km
実際の状況(燃費がやや悪化した場合)
- 例えば燃費が12km/Lに落ちた場合:40L × 12km/L = 約480km
市街地のみの運転で満タンから空になるまでの走行距離は、480kmから650km程度が現実的な範囲と言えるでしょう。
短い距離を頻繁に移動する場合、さらに燃費が悪化することもあるため、少し余裕を持った計算が必要です。
郊外走行での最大距離
郊外では比較的一定速度で走行できるため、燃費が改善される傾向があります。
WLTCモードでは約15.2km/Lという数値が示されていますが、エンジン負荷が少ない状況ではさらに効率が良くなる可能性もあります。
理想的な状況の場合(5MT)
- 40L × 17.5km/L = 約700km
実際の状況(燃費が16km/L程度に安定する場合)
- 40L × 16km/L = 約640km
郊外走行では、燃費のブレが市街地よりも少ないため、600km以上の距離も期待できます。
しかし、経年劣化による燃費効率の悪化も考慮する必要があります。
高速道路走行での最大距離
高速道路走行では、ジムニーの燃費も効率的になります。エンジンの回転数が安定し、高速道路の走行はストップ・アンド・ゴーが少ないため、16.5km/Lという好条件が実現します。
理想的な状況の場合(5MT)
- 40L × 16.5km/L = 約660km
実際の状況(燃費が15.0km/L程度の場合)
- 40L × 15km/L = 約600km
高速道路では、おおよそ600kmから650km近く走行できる可能性がありますが、運転の仕方やエアコンの使用、車両の積載状態などによっては変動します。
実際の走行条件による変動
実際にどれだけ走れるかは、上記の通り運転の仕方や道路状況、車両の状態に大きく左右されます。
例えば、急加速や急減速を繰り返す運転は燃費に悪影響を与えますし、オフロードや山道などの悪路ではさらに燃費が低下します。
また、エアコンの使用やタイヤの空気圧、車の荷物の積載量も燃費に関与します。
特にタイヤの空気圧が低いと、路面との摩擦が大きくなり、燃費が悪化する原因となります。
ジムニーの実燃費
続いて、ジムニーの実燃費についても確認していきましょう。
カタログ燃費は「WLTCモード」という国際的な試験方法で計測された数値です。
信号や渋滞などの影響を想定した「市街地モード」、信号や渋滞などの影響を受けないことを想定した「郊外モード」、高速道路での走行を想定した「高速道路モード」で、細かく計測されています。
しかし、走行環境に基づいて計測された燃費値といっても、実際の燃費とは誤差が生じてしまうものです。
ドライバーが実際に公道にて測定した燃費値を「実燃費」と呼びますが、実燃費は計測条件が定められているわけではないため正確性には欠けるかもしれません。これから紹介するジムニーの実燃費(2024年10月時点)も、あくまで参考程度に確認してください。
なお、「e燃費(実際に車を所有している人により、燃費情報が共有されているWebサイト)」の情報をもとにカタログ燃費と比較しています。
トランスミッション | カタログ燃費 WLTCモード | 実燃費 |
5MT | 16.6km/L | 14.3km/L |
4AT | 14.3km/L | 13.2km/L |
カタログ燃費に比べて、実燃費の方が低い燃費値であることが分かります。これは多くの車で見受けられ、ジムニーだけに限りません。
上記の数値を元にすると、ガソリン満タンでの走行距離は、以下のようになります。
- 5MT:14.3×40=572km
- 4AT:13.2×40=528km
カタログ燃費よりも実際の使用感に基づいた燃費を把握したい人は、実燃費を参考にしてみることをおすすめします。
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ジムニーと他社製の車とを比較!燃費や特徴の違いは?
続いて「ダイハツ タフト」と「スズキ ハスラー」をジムニーと比較していきましょう。
ここでは、それぞれの特徴と燃費について比較していきます。ジムニーの購入を検討していて、ほかの車と比較てみたいという方はぜひ参考にしてみてください。
ジムニーとタフトを比較
ダイハツが販売するタフトは、オフロードでの使用を想定して設計されたSUVです。
滑りやすい路面や凸凹の多い道でも走行できるように「グリップサポート制御機能」が備えられています。
グリップサポート制御とは片輪のタイヤがスリップしても、もう片輪に駆動力を伝えてグリップ状態をキープし、発進と加速をサポートする機能です。
また、夜間の歩行者との衝突を防ぐ「衝突回避支援ブレーキ機能」やペダルを踏み間違えた際の急発進を防ぐ「ブレーキ制御付誤発進抑制機能」など、さまざまな予防安全機能が搭載されています。
これらの点から、タフトはキャンプや釣りなどのアウトドアだけでなく、普段の通勤や移動にも適した車です。
燃費性能について見ていきましょう。
今回は、ジムニーと同じ駆動方式である4WDのグレードで燃費を比較しました。
また、トランスミッションに関して、タフトはATの派生形であるCVTを採用しているため、ジムニーもATでの燃費を参照しています。
車名|グレード (駆動方式・トランスミッション) | タフト|G (4WD・CVT) | ジムニー|XC (4WD・AT) |
WLTCモード | 21.1km/L | 14.3km/L |
市街地 | 19.4km/L | 12.4km/L |
郊外 | 22.4km/L | 15.1km/L |
高速道路 | 21.1km/L | 14.8km/L |
※参考元:スズキ|ジムニー 主要諸元表
上記の通り、燃費性能ではジムニーよりもタフトの方が優勢です。
しかし、ジムニーはよりオフロードでの走行性を向上させるために、特別なフレーム構造を採用するなど細部にまで拘られています。そのため、普段使いではタフトの燃費のよさが際立ち、オフロードではジムニーの走行性能が役立つでしょう。
ジムニーとハスラーを比較
スズキが販売しているハスラーは、ジムニーと同じくオフロードでの使用を想定して設計されたSUVです。
2WDのほかに4WDのグレードも展開されており、舗装されていない道路でも快適に走行できます。
また、スノーモードと呼ばれるモードも搭載しており、雪道でのタイヤの空転を抑えることが可能です。
そのため、雪が降る地域にお住まいの人には、アウトドア向けに設計されたジムニーよりも、ハスラーの方が普段使いで役立つかもしれません。
それでは、ジムニーと燃費性能を比較していきましょう。
ハスラーにはターボエンジンを用いた特別仕様のグレードが存在しますが、今回は通常のエンジンが用いられたグレードとジムニーを比較しています。
車名|グレード (駆動方式・トランスミッション) | ハスラー (4WD・CVT) | ジムニー|XC (4WD・AT) |
WLTCモード | 23.4km/L | 14.3km/L |
市街地 | 22.1km/L | 12.4km/L |
郊外 | 24.1km/L | 15.1km/L |
高速道路 | 23.5km/L | 14.8km/L |
※参考元:スズキ|ジムニー 主要諸元表
上記の通り、燃費性能に関してはジムニーよりもハスラーの方が優勢です。
ハスラーの燃費性能が優れている理由として、ハイブリッドシステムが挙げられます。
これは自動車を駆動させるために、エンジンだけでなく電動モーターも活用しているシステムです。電動モーターがエンジンの働きをサポートするため、余分なガソリン消費を抑えられ、燃費の向上を実現しています。
関連記事:ハスラーに乗るならカーリースもアリ!おすすめする理由、料金やメリットを解説!
ジムニーの概要
ジムニーはスズキが製造・販売している車で、舗装されていない山道や田舎道など、オフロードでの走行を考慮して設計されています。
骨組みとなるフレームには、悪い走行環境でも耐えられるように頑強な特別構造が採用されているのが特徴です。
さらに、オフロードでの走行をサポートするため、パートタイム4WDという駆動方式を採用しています。
車が走行する方法を示した駆動方式は、大きく分けて2種類です。
エンジンがタイヤ2つに作用する2WDと、タイヤ4つに作用する4WDがあります。
このうち、4WDは車体を4つのタイヤで動かせるため、坂道や悪路での走行性が高いです。
なお、ジムニーに採用されているパートタイム4WDは、2WDと4WDを任意に切り替えて走行できる仕組みになっています。
さらに、4WDの中でも高速でタイヤを回転させる4H(4WD高速)、低速でタイヤを回転させる4L(4WD低速)の2種類を使い分けることが可能です。
これにより、通常の道路走行時には2WD、悪路や雪道などの滑りやすい道には4H、ぬかるんだ土手道や隆起した山道など大きな駆動力が必要な道には4Lと、シーンに合わせて切り替えることで快適に走行できます。
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ジムニーは積極的にアウトドアに出かける人におすすめ
ジムニーはオフロードでの走行を想定した車です。
そのため、オフロードでの走行性能を向上させるため、特別なフレーム設計の採用やパートタイム4WDの搭載などさまざまな拘りが込められています。
一方で、ほかの車と比較しても分かる通り、燃費性能に関しては劣る面も見受けられます。
燃費を重視する人で一般的な道路や高速道路の利用が多い場合、燃費性能の高い他車を選択した方が高い満足度が得られるかもしれません。
ジムニーの大きな魅力は、オフロードでの走行性能です。積極的にキャンプや釣りなどのアウトドアに出かける人におすすめの車であるといえます。
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まとめ
ジムニーはスズキが製造・販売しているSUVであり、オフロードにおける走行性能の高さからアウトドアの活用に向いています。他の車と比較すると、燃費性能は特別優れているわけではありません。
一方で、フレーム設計や駆動方式は特別な仕様となっており、オフロードでの利用に最適です。
頻繁にアウトドアに出かける人であれば、ジムニーの走行性能を堪能できるでしょう。