ターボエンジンとは?仕組みや構造、メリット・デメリットを徹底解説
ターボエンジンは最上位グレードやスポーツカーなどに搭載されるエンジンです。
車両に搭載される理由としては、ターボが排気量を変えずにパワーを引き出すことができる部品である点が挙げられます。
この記事では、ターボの仕組みとおすすめの軽自動車を詳しく紹介します。
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INDEX
ターボエンジンとは
ターボエンジンとは、ターボチャージャーと呼ばれる過給器を搭載したエンジンのことです。
ここでは、ターボエンジンの概要や歴史を紹介します。
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ターボエンジンとは?
ターボエンジンは一般的にターボと呼ばれています。
もともとは航空機関係の部品で、レースでパワーを稼ぐ目的から車に搭載されるようになった部品です。
ターボは、空気を圧縮してより多くの空気やガソリンを、効率よくエンジン内部に送り込む過給器と呼ばれる部品です。
そのため、普通のエンジンよりも出力アップが可能になります。
ターボがついたエンジンは、普通のエンジンと同じ排気量でありながら、高排気量の車のようなパワーを確保できる高性能な車といえます。
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ターボ車が広がったのは1980年代から
国産車で初めてターボが搭載されたのは1979年10月に発売された日産の430セドリック・グロリアです。
当初は少ないガソリンで、パワーを稼ぐ環境に優しい部品として導入が始まりました。
しかし、同じ排気量でありながらパワーを稼げるという特徴から、その後はスポーツカーを中心に搭載されるようになります。
1980年代後半には多くの車に搭載され、高性能車の証として車体に「TURBO」と書かれた車も多くありました。
バブル崩壊後はスポーツカーの人気が落ちたことやガソリン価格が高騰したため、一時期は搭載される車の数が減ったものの、660ccの排気量制限がある軽自動車を中心に「ダウンサイジングターボ」と呼ばれる技術へつながり、現在も多くのターボ搭載の車が販売されています。
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ターボエンジンの仕組み・構造について
ターボエンジンは、空気を圧縮しエンジンに送り込むことでパワーを稼いでいます。
ここでは、この空気を送り込むことでパワーアップが狙える理由や、その仕組みについて紹介します。
ターボの形状や仕組み
ターボはカタツムリの殻のような特徴的な形をしていることが多いです。
このように特徴的な形をしているのは、ターボエンジンを動かすのに必要なエンジンに入っていく空気を、出ていく空気である排気ガスを利用して圧縮をしているためです。
ターボの中にあるタービンと呼ばれる部品を排気ガスで回すことで、吸気側の空気をコンプレッサーと呼ばれる部品で圧縮する仕組みのため、カタツムリの殻のような特殊な形状となっています。
高出力が可能な理由
ターボエンジンが高出力エンジンとなる理由は、空気を圧縮してエンジンに送り込み、燃焼の威力を上げているためです。
そもそもエンジンは燃料をエンジンの内部のシリンダーと呼ばれる部分で爆発させることでパワーを得ています。
車の排気量における「cc」はこのシリンダーの体積のことです。
このシリンダーのサイズが大きく、数があるほど多くのパワーを引き出すことができます。
そして、ターボはこのシリンダーの容積を増やすのではなく、混合気(霧状のガソリンが混ざった空気)を圧縮しシリンダーに押し込むことでパワーを稼ごうという考えのもと、開発された部品です。
つまり、ターボが高性能となる理由は、混合機を圧縮して送り込み、シリンダー内の爆発に必要な空気と燃料を増やすことで燃焼効率を上げパワーを稼いでいるためです。
ターボエンジンのメリット・デメリット
ターボエンジンはパワーを引き出せるメリットがありますが、普通のエンジンに比べてデメリットもあります。
ここでは、ターボエンジンのメリットとデメリットについて紹介します。
ターボエンジンのメリットは?
ターボエンジンのメリットは同じ排気量で普通のエンジンに比べ、高出力なことです。
また、排気ガスを利用し空気の圧縮を行うためエネルギーを無駄にすることなく、パワーを得られることもメリットです。
そのため、スポーツカーのような車であれば、排気量以上の押し上げるような加速を手に入れることができ、660ccという排気量の制限がある軽自動車などでは、規定内の排気量でありながら普通のエンジンよりキビキビとした走りが可能です。
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ターボエンジンのデメリット
ターボエンジンのデメリットとして、ターボラグが挙げられます。
ターボラグとはターボが動き出すまでのタイミングのズレのことで、アクセルを踏んでターボが効き始めるまで時間がかかることを指します。
癖のある操作性になりやすいのがターボエンジンのデメリットといえるでしょう。
しかし、最近はラグが発生しにくい小さなタービンが主流となっています。
技術の発展でターボ車のラグはほとんどないです。
他のデメリットとして、部品を多く積むため車の重量が増えることもデメリットとされていますが、重さはパワーでカバーすることが可能です。
カバーできていないデメリットとしては、エンジンオイルの管理をしっかり行わないと故障しやすい傾向にあるため注意が必要です。
またターボ車は、加速性能を高めるため、一般的に燃費性能が劣ると言われていました。
しかし、近年では燃費を意識した設計となっており、ターボ車は燃費が悪いという時代は終わっていると考えて良いでしょう。
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ターボエンジンが搭載されている軽自動車のおすすめ4選
排気量に制限がある軽自動車は、パワー不足が発生しやすい車種です。
しかし排気量を変えずとも、パワーを引き出せるターボエンジンが搭載されている軽自動車であれば、パワフルな走行が可能です。
ここでは、ターボエンジンが搭載されている軽自動車を4つ紹介します。
ホンダ N-BOX
燃費とメリハリのよい走りの両立や使い勝手のよさ、軽自動車とは思えない質感などで高い人気を誇るのがホンダのN-BOXです。
2021年には軽自動車部門で新車販売台数1位を達成しており、2022年も新車販売台数は上半期1位を獲得、通年を通しても1位と予想されます。
そんな人気の高いN-BOXには、ターボモデルがラインアップされています。
なかでも上級グレードとなる「L・ターボ STYLE+ BLACK」は所有欲を満たせる特別仕様です。
上質な質感とともにキビキビ走る仕上がりになっており、坂道も街中も高速道路もストレスなく走ることができる車です。
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スズキ ハスラー
スズキのハスラーは、同じくスズキのジムニーと並び人気が高い軽SUVです。
キャンプや車中泊といったレジャーから、日常のお買い物まで便利にこなせる車内の広さが特徴の車です。
また、カラーバリエーションが豊富なため、使い勝手がよいおしゃれな車として人気を集めています。
そんなハスラーには普通のエンジンだけでなく、ターボエンジンのモデルもラインアップされています。
ターボのパワーがありつつもマイルドハイブリッドにより低燃費が期待できるでしょう。
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ダイハツ ムーヴ
ムーヴは、ダイハツが製造・販売している軽ハイトワゴンです。
程よいデザインとともに、使い勝手がよいことや軽自動車とは思えない室内空間から、老若男女から支持を集めています。
そんなムーヴのなかでもターボを搭載した「Xターボ“SA Ⅲ”」はパワフルかつコンパクトな走りが楽しめる一台です。
軽自動車の走行においてネックとなる坂道も難なく登れる走行性能でありながら、燃費も普通のエンジン車とあまり変わらないのも大きな魅力です。
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日産 ルークス
ルークスは、最先端技術に力を入れている日産自動車が販売する軽自動車です。
ミリ波のセンサーを利用した衝突予測警報装置である「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」を搭載しているのが特長の軽自動車です。
最上位グレードとなるハイウェイスターGターボは、このような運転支援システムに加えてターボを積んでおり、快適かつ安全に走行が可能です。
また、ルークスは2020年度グッドデザイン賞を受賞しており、デザイン面も魅力的な軽自動車といえるでしょう。
まとめ
パワーがありながらスピードの出る高性能な車の証ともいわれたターボエンジンは、排気量を抑えながら高出力を稼げるエンジンです。
従来は高出力なスポーツカーに多く積まれていましたが、最近は省エネや低燃費を実現する技術として多くのメーカーに採用されています。
この記事では、ターボエンジンを積んだ軽自動車を紹介しました。
軽自動車は排気量制限があるため、ターボの利点を得られる車です。
今回紹介した車を試乗などで確認し普通のエンジンとの違いを試してみてください。