カローラクロスは燃費が悪いって本当?実燃費や他の車との燃費比較も紹介
自動車のボディタイプには、セダンやハッチバックなどさまざまな種類があります。
近年「クロスオーバー」と呼ばれる車種が各メーカーより発表されていますが、「クロスカントリーとの違いがわからない」という人もいるでしょう。
この記事では、クロスカントリーとクロスオーバーの違いについて解説します。
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INDEX
SUVとは
クロスオーバーもクロスカントリーも、広い意味では「SUV」の一種と言えます。
両者の違いを解説するにあたっては、まずSUVの定義を正確に理解しておく必要があります。
SUVは「Sport Utility Vehicle」の略であり、「多目的スポーツ車」と訳されます。SUVだと判断する明確な基準はなく、街乗りからアウトドアでのレジャーまで、さまざまな目的に使える車を指します。
つまり、SUVとはボディタイプではなく「用途」による分類となります。
日本では1980年代よりこのカテゴリーに属する車が登場してきましたが、当時は「RV(Recreational Vehicle=レジャーに適した車)」とも呼ばれていました。
SUVの特徴
明確な基準がないSUVですが、特徴として以下の点があげられます。
- 悪路での走破性が高い
- 車内の荷室が広い
- 最低地上高がある程度確保されている
アウトドアで使用する際は最低地上高(地面から車体最低部までの高さ)が高い方が悪路を走破しやすいため、結果として全高が高い車が多くなっているのです。
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クロスカントリーの特徴
クロスカントリーは、舗装されていない山道や岩場などを走破できる車のことを指します。
国産車ではトヨタ ランドクルーザーやスズキ ジムニー、三菱 パジェロなどがあり、これらの車が、先述したRVとしてカテゴライズされたこともありました。
構造上の特徴としては、「ラダーフレーム」と呼ばれるハシゴ形のフレームを採用する車が多いです。
ラダーフレームの特徴は、とにかく頑丈なことです。
シンプルな構造ゆえに、耐荷重性、耐衝撃性に優れ、荒れた路面を走行するのに適しています。
駆動方式については、4輪すべてをエンジンで駆動する「4WD」が採用されることが多く、この機構によりすべてのタイヤにパワーが伝わるため、岩場や急な坂道なども走破しやすくなっています。
サスペンションは左右輪を車軸でつないだ「車軸懸架式」を採用した車が多い傾向にあります。
この方式は構造がシンプルなため頑丈で衝撃に強いという特性があります。
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トヨタ ランドクルーザー
トヨタが販売する最低地上高が22.5cmのランドクルーザーは、悪路での走破性が抜群のSUVとして人気が高い車です。
あらゆるシーンの走行にも耐えうる強靭なボディは、見る人を圧倒する迫力があります。
また、洗練された内装により移動時も快適に過ごすことができるでしょう。
路面状況に応じた6つの走行モード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)を選択できるため、さまざまなオフロード走行時にも抜群の安定感を誇ります。
スズキ ジムニー
ジムニーは軽自動車とは思えないほどの本格的な四輪駆動車です。
四角いボディでかっこよく、ライトは丸くてかわいらしく、まさにゴツくてかわいいデザインです。
しかし、ジムニーの魅力はデザインだけではありません。ジムニーは四輪駆動車であり、オフロードで特に走行性を発揮します。「パートタイム4WD」を採用しており、高い脱出性能を実現しています。
また最新の電子制御システムにより、雪道や泥道でのスタックを防ぎます。
男女問わず非常に人気の高いクロスカントリーSUVです。
クロスオーバーの特徴
近年、街中でクロスオーバーと呼ばれる車を目にする機会が増えました。
トヨタ ヤリス クロス、マツダ CX-60などの人気車に加え、話題の新型クラウンにも「クロスオーバー」タイプがラインナップされています。
頑丈さを追求するクロスカントリーが、ラダーフレームの車体構造を採用することが多いのに対し、クロスオーバーは一般的な乗用車と同様の「モノコック構造」を採用するのが一般的です。
モノコック構造はシャシーとボディが一体化しているため軽量化でき、またボディ全体が構造部材として機能するため、衝突時に骨格全体で衝撃を吸収できるというメリットもあります。
駆動方式は4WDに加え、「悪路を走る機会はそれほどない」という人に向けて2WDをラインナップしている車もあります。
一般的に、2WDは4WDと比べて燃費性能に優れるという特徴があります。
クロスオーバーのサスペンションは、一般車と同様、左右の車輪を独立して上下できる「独立懸架式」が採用されることが多いです。
構造が複雑になる分、頑丈さには劣るものの、乗り心地は車軸懸架式と比べて向上する傾向にあります。
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トヨタ ヤリスクロス
コンパクトなサイズが特徴の トヨタ ヤリスクロスは、アウトドアだけではなく、小回りが利き街中でも運転がしやすいクロスオーバーSUVとして人気があります。
スマートキーを携帯していればリヤバンパーの下に足を出し入れするだけで、バックドアが自動開閉できる機能「ハンズフリーパワーバックドア」が搭載されています。
この機能があることで、お買い物やお子さまを抱えた状態など、両手がふさがっていてもドアを開けることができますので、とても便利な一面があります。
マツダ CX-60
CX-60は2022年に販売されたマツダのクロスオーバーSUVです。
マツダの最上級クラスとして誕生したCX-60は「高級感」を重視されており、エレガントな外観だけでなく、その中身も非常に洗練されています。
そしてコックピットにはドライバーの身長や目の位置に合わせてシートの位置やハンドルの高さ、ドアミラーの角度を自動調整する機能が搭載されており、体調が急変した際には自動で減速停止した後、緊急通報までしてくれるという優れものです。
さらにマツダ初のプラグインハイブリッドによる低燃費と環境性能を備え、経済的に優しい点も特筆すべき要素でしょう。
クロスカントリーとクロスオーバーの違いは?
クロスカントリーは、山道や岩場などの未舗装路を走ることをメインの目的として作られた車種です。
強大なパワーで走破性に優れ、シンプルな構造で頑丈な反面、乗り心地や燃費など一般的な乗用車に求められる性能は、あまり顧みられてこなかったという歴史があります。
一方のクロスオーバーは、SUVの中でも「より街乗りにフォーカスした車」と定義できます。
普段の買い物や送り迎えなどをメインとしつつ、高速道路での走行、場合によってはレジャーまでカバーするバランスの良さが特徴です。
またクロスオーバーは乗用車と同等のサスペンションが採用されていることで乗り心地がよく、車内の居住性も高いという特徴があります。
本来は悪路を走破するために上げられた車高ですが、目線が高くなることで、街乗りにおいては「視野が広く、運転しやすい」というメリットをもたらしました。
さらに近年はコンパクトなクロスオーバーも登場しており、運転に自信がない人でも扱いやすい車といえるでしょう。
クロスカントリーとクロスオーバーには上記のような違いがあります。
両者の違いを把握したところで、それぞれの車をおすすめできる人のタイプを見ていきましょう。
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クロスカントリーをおすすめできる人
まず、クロスカントリーをおすすめできるのは、オフロードでの使用をメインに考えている人です。
自然の中を自在に走り回る体験は、市街地のドライブとは一味違った爽快感をもたらします。
また、近年はソロキャンなどで人里離れた山奥に入る際も、走破性が高くタフなクロスカントリーは頼りになるでしょう。
また大柄なボディや無骨なデザインに魅力を感じる人もいるでしょう。
一般的に車の下取り価格は安価となるケースが多いですが、国産車のクロスカントリーは中古車市場でも高値で取引されています。
反面、車体が大きなクロスカントリーは小回りが利かないため、細い道のある住宅街などでは運転しにくい点は注意が必要です。
また燃料費や税金などのランニングコストもかさみがちなため、見た目だけでクロスカントリーを選ぶことはおすすめできません。
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クロスオーバーをおすすめできる人
一方、クロスオーバーをおすすめできるのは、街乗りをメインの使用目的としている人です。
先述したように、ヤリス クロスなどはコンパクトな上に運転席の目線も高いため、初心者にも運転しやすい車となっています。
街中の使用では、駐車場の選択肢が広いというメリットもあるでしょう。
「普段の生活でカジュアルに車を使いたい」という人に、クロスオーバーは適しています。
また、クロスオーバーにはハイブリッド車がラインナップされている車も多いため、ランニングコストを抑えたいという人にもおすすめできます。
さらに、街中や高速道路を快適に運転したいという人にもクロスオーバーは向いています。
シート形状や素材にこだわり、乗り心地としてはセダンと同等である一方、クーペ並みの走行性能を備えた車もあります。
このように、クロスオーバーにはさまざまなシチュエーションで使えるオールラウンド性があり、クロスカントリーより幅広いユーザーのニーズを満たすでしょう。
注意点としては、クロスオーバーは「街乗りのできるSUV」がコンセプトのため、本格的なオフロード走行には不向きです。
アウトドアに頻繁に出かける人は、クロスカントリーを第一候補とするのがよいでしょう。
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まとめ
この記事では、クロスカントリーとクロスオーバーの構造上の違いやそれぞれの魅力、おすすめできる人のタイプについて解説しました。
山道の走行やキャンプなどのレジャー用途がメインであればクロスカントリー、通勤や買い物・高速道路を使っての旅行など、オンロードで使うならクロスオーバーがおすすめです。
とはいえ近年は「街乗りでも使いやすいクロスカントリー」「本格的なオフロード走行にも対応するクロスオーバー」も出てきています。
車の選択にあたっては、実際に試乗して走行フィールを確かめ、自分に合った1台を見つけてください。