軽トラックとはどのような車なのか?間違えやすい他の車種との違いを解説
軽トラックは自動車のなかでも、引っ越しや現場作業用として荷物を運ぶ車の定番となっている車種です。
街中でもよく見かける軽トラックではありますが、そもそも軽トラックとはどのような車種なのでしょうか。
本記事では、軽トラックについて他の車種にはない特徴やメリット、購入の際に選ぶポイントなどを解説していきます。
関連記事:軽トラックの乗り心地は?メリット・デメリット・魅力を紹介!
関連記事:【2023年】軽トラックおすすめ人気ランキング5選
INDEX
軽トラックとは?
軽トラックとは、軽自動車の規格に合わせて作られた小型のトラックのことを指し、以下の表の基準を満たす車両サイズと排気量となります。
なお「トラック」とは、貨物を運ぶ車全般のことを指します。
全長 | 3.4m以下 |
全幅 | 1.48m以下 |
全高 | 2m以下 |
総排気量 | 660cc以下 |
道路運送車両法によると、軽トラックは軽自動車のなかの軽貨物車に分類され普通免許があれば誰でも運転することができます。
また、最大積載量は350kgです。
コンパクトな車体ながら多くの荷物を積んで狭い路地や農道などを走れるため、引っ越しや農作業の際に役立ちます。
最近では荷台スペースをキャンプ仕様にカスタマイズして利用されることも増えています。
関連記事:軽トラでキャンプを楽しもう!車中泊するための準備とコツも紹介
軽トラックと小型トラックの違い
道路運送車両法により軽トラックは、「軽自動車」に分類されますが、小型トラックは「小型自動車」に分類されます。
軽トラックと小型トラックの規格を比較すると下記の表のとおりです。
軽トラック | 小型トラック | |
種類 | 軽自動車 | 小型自動車 |
全長 | 3.4m以下 | 4.7m以下 |
全幅 | 1.48m以下 | 1.7m以下 |
全高 | 2m以下 | 2m以下 |
総排気量 | 660cc以下 | 660ccを超え2,000cc以下 |
最大積載量 | 350kg以下 | 3トン未満 |
軽トラックも区分上は「小型トラック」に該当しますが、軽トラックの最大積載量が350kgなのに対して、小型トラックは3トン近く積むことができ、大きさの違いがわかります。
関連記事:軽トラックの積載量はどのくらい?荷物を安全に運ぶためのツール(道具)も紹介
軽トラックと他車種の違い
軽トラックと混同されやすい車種として「ダンプ」と「軽バン」の2つが挙げられます。
ここでは軽トラックと上記車種の違いについて解説していきます。
軽トラックとダンプとの違い
ダンプとは車体後方に荷台が設けてあるトラックであり、正式な名前は「ダンプトラック」といいます。
軽トラックと形が似ていることから混同されやすい車種の一つです。
ダンプと軽トラックの大きな違いは、荷台が動かせるかどうかという点です。
軽トラックは荷台を動かすことができませんが、ダンプは荷台を持ち上げるように動かすことができ、土やゴミなどの積載物を人の手を使わずに降ろすことができます。
そのため、ダンプトラック(日本では「ダンプカー」と呼ばれることが多い)は主に土砂やゴミなどの運搬で使用されています。
軽トラックと軽バンとの違い
軽バンは、車体後部が荷台ではなく荷室になっている車種を指します。
軽トラックと同様に多くの荷物を積み込めるだけでなく、荷室部分のシートを起こすことで座席を設置でき、追加で2人まで乗車できます。
また、前輪と後輪の距離(ホイールベース)も異なります。軽トラックのホイールベースは約2mであるのに対し、軽バンのホイールベースは約2.5mです。
ホイールベースは小回りのしやすさに直結するため、軽トラックの方が小回りがききやすい設計になっているといえます。
関連記事:軽トラのリースに興味がある人必見!人気車種や申込方法を紹介
関連記事:エブリイワゴンの燃費を調査!走行性能や機能も解説!
軽トラックのメリット
一般的な軽トラックのメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 荷台に多くの荷物を積み込める
- 維持費が安い
荷台に多くの荷物を積み込める
軽トラックは、セダンなど他の車種に比べて荷物を多く積み込めるという特徴があります。
軽トラックには荷台が設けてあるため、車内には収まらない長尺の荷物や車内に持ち込むのは避けたい匂いの強いものや汚れたものを運ぶことができます。
関連記事:車中泊ができる軽自動車のランキングTOP5を紹介!
維持費が安い
軽トラックは軽自動車の規格であるため、車体のサイズなどの関係で他の車種に比べて維持費を抑えられるという特徴があります。
ガソリン代などの維持費や燃費は軽自動車と同様ですが、自動車税に関しては以下の表のように軽自動車よりも安くなります。
軽自動車(自家用) | 軽トラック(自家用) | |
平成27年4月1日以降に新車登録されているもの | 10,800円 | 5,000円 |
平成27年3月31日以前に新車登録されているもの | 7,200円 | 4,000円 |
新規検査から13年経過したもの | 12,900円 | 6,000円 |
関連記事:軽トラックの税金はどのくらいかかる?軽トラックの概要や安く抑える方法を解説
関連記事:車のランニングコスト(維持費)はいくら?費用相場やコストを抑える方法を紹介
軽トラックのデメリット
軽トラックのデメリットは以下の3点です。
- 乗車定員が2人のみ
- 乗り心地の快適さは劣る
- 荷物を積まない時の運転に注意が必要
乗車定員が2人のみ
軽トラックは車体後部が荷台になっているため、人が乗れるのは基本的には運転席と助手席のみとなります。
そのため、荷物だけでなく人も多く乗せる必要がある場合には、複数台の車で対応する必要があります。
正式に手続きを踏めば荷台に人が乗ることも可能ではありますが、人が押さえる必要のある荷物が載せられている場合に限るため、乗車定員を増やせても1人となります。
乗り心地の快適さは劣る
セダンやSUVなど他の車種と比べると、軽トラックは乗り心地が劣ります。
その理由の一つとして、軽トラックは荷台部分が大きく設計されるため、運転席などの車内空間は狭くなります。
さらに、一般的には座席のリクライニング機能がないことが多く、他の車種に比べて運転時の疲労が溜まりやすいため、長距離運転には不向きといえます。
また、軽トラックは左右のタイヤが軸でつながっているため、走行時の振動が大きくなる特徴があります。
山道や田んぼ道などの状態が悪い道を走ることも多く、壊れやすい荷物を積み込むと破損の恐れもあるため、積み込む荷物にも配慮が必要となります。
関連記事:軽トラックの乗り心地は?メリット・デメリット・魅力を紹介!
荷物を積まない時の運転に注意が必要
軽トラックは重い荷物を積んだ状態で走行することを考慮して設計されています。
そのため、軽トラックの駆動方式が2WDだった場合その多くは後輪駆動となります。
重たい荷物を乗せて後輪が沈み込んだ場合に前輪が浮いてしまうためです。
一方で、荷物を積まないで運転する場合には注意が必要となります。
荷物を積まない場合は重心が前方に偏るため、特に雨天時や坂道での発進時には後輪がスリップしやすくなる点を認識しておきましょう。
関連記事:軽トラックのサイズや魅力とは?荷物が大きい場合の対処法も紹介
軽トラックを選ぶポイント/どのような人におすすめか
軽トラックは他の車種に比べて選択肢が狭い車種ではありますが、どれも似通っていることから何を基準に選べば良いか迷うこともあります。
ここでは、軽トラックの選び方のポイントと、どのような人におすすめできるかという点について解説していきます。
関連記事:軽トラのリースに興味がある人必見!人気車種や申込方法を紹介
軽トラックを選ぶ際のポイント
軽トラックを選ぶポイントとしては以下が挙げられます。
- 荷台の使いやすさ
- 駆動方式
軽トラックの最大の特徴である荷台ですが、大きさは規格が決められているため差はほとんどありません。
しかし、使いやすさで差が生じます。
特に確認しておきたいポイントは、荷物を固定するためのロープやカバーをひっかけるフックの数と、荷台の枠が取り外せるかという点です。
また、駆動方式も意識して選びたいポイントとなります。
街中で走るだけであれば2WD(後輪駆動)で事が足りますが、山道など険しい道、砂利道など舗装されていない道を走る前提であれば4WDを選ぶ方が安全です。
利用する場所を想定しながら選びましょう。
軽トラックをおすすめできる人
軽トラックをおすすめできる人は、以下のいずれかに当てはまる人です。
- 作業などで頻繁に荷物を多く積み込む可能性がある人
- 車に3人以上で乗ることがない人
- 車をカスタマイズしたい人
軽トラックは荷物を積み込むことが基本であるため、普段から荷物を多く積み込み、作業などを行う人にとってはピッタリの車種といえます。
また、軽トラックは乗車定員が2人であるため、基本的には3人以上で乗ることができません。
そのため、利用人数が多い人にとっては軽トラックよりも軽バンやSUVなどを検討したほうが適している場合もあります。
最後に、軽トラックは荷台部分を有効活用できるため、自身の好みに合わせてキャンプ仕様などカスタマイズをしたい人にとっては、手の入れがいがある車となります。
関連記事:軽トラックの荷台のサイズは?改造できる?おすすめのツールなどを紹介
まとめ
本記事では軽トラックの特徴や他の車種との違い、メリット・デメリットなどについて解説してきました。
軽トラックは、軽自動車のサイズに合わせて作られたトラックであるため、荷台に多くの荷物を積み込める点が最大のメリットです。
また普通免許で運転することができ、維持費が安いという手軽さも魅力です。
車内空間は狭く、快適さという面では難を感じるかもしれませんが、荷台を自由にカスタマイズすることはできます。
用途や目的に合わせて軽トラックを上手に選び、充実したカーライフを送りましょう。